僕と鱸④

初スズキを釣ったのが11月。その後数本を釣り、迎えた12月。川の中にはアユの姿はなくなり、冷たく、そして勢いのない、か細い流れとなった。当然川の中でスズキを釣ることはできず、次に釣れたのは春のシーズンだった。

これまで述べたように、そう、僕には師事するアングラーがいなかった。そしてその後、エソワンGP2年連続覇者のましゃんさんに請い、磯、川のスズキ釣りを教えてもらった。そして吉村ZXさんら多くのベテランアングラーさんに釣りの醍醐味を教えていただいた。日高川のシーバスゲーム黎明期の人たちである。

以後数年間、日高川は、落ち鮎時期にまとめ釣り。それ以外の季節は増水した時にポツリポツリと釣っていた。日高川、当時藤井側(右岸側)は河川敷に畑があり、そのあぜ道を抜けてエントリー。土生川という支流が野口橋下で交わっていたため、土生川をウェーディングで渡り、小さな中州に上陸した。そこから橋げたや支流と本流の交わる流れにキャストして釣ると高確率でヒットした。ただ、増水時に渡るのは非常に危険であり、何度か肝を冷やした。

そうこうしているうちに、左岸側に9ホールのミニゴルフ場の建設が始まった。芝生にまく除草剤などを心配した。日高川の野口橋付近は、普段はマルスズキしか釣れなかった(例外的にタイリクスズキばかり釣れた時期もあった)が、それがおそらく5年ほど前だろうか。不意にヒラスズキが1匹釣れた。先輩達に報告しても、半信半疑のようだった。しかし、その年を境に、日高川の野口橋~新野口橋付近ではヒラスズキが交じるようになったのだ。

今でも毎年、何本かのランカーヒラスズキが河川内でゲットされており、夢のあるフィールドになった。半面、マルスズキは、間違いなく小型化が進んでおり、ランカーサイズは落ち鮎時期にたまに出るくらいではないかと思う。

河川内のポイントは台風などにより、毎年大きく変わる。ここが他の釣りとは大きく変わるところである。今年の着き場はどこか、そしてそこにはどのようにエントリーすればいいのか。これを見極めるには昼間のチェックは欠かせない。リバーでのシーバスゲームはナイトゲームが中心だが、勝負の半分は昼間に着いているといっても過言ではない。

こうしたリバーシーバスのすべてを日高川というフィールド、そして師匠たちに教わった。故郷の川は今年はどんなドラマを生み出してくれるのだろうか。僕が初めてスズキを手にした落ち鮎シーズンが間もなく開幕する。いい魚、そしていい仲間に出会えるよう頑張りますゆえ、現場で見かけたら気軽に声を掛けてください。それでは皆さま、いい釣りをしましょう。(完)

 

「僕と鱸④」への26件のフィードバック

  1. 僕と鱸シリーズ、毎回更新を楽しみに読ませてもらいました。ひろさんから前に鱸は淡水で釣る魚や!と聞いた時に受けた衝撃を思い出しました。今も自分の原点である川鱸に人一倍熱い思いを持ってる姿がかっこいいです。あっ、イケメンはスルーしますが。(≧ω≦。)プププ 100万アクセスおめでとうございます。(^O^)/

    1. >トンさん ありがとうございます( ´∀`)

      鱸は川魚ですよヾ(*´∀`*)ノキャッキャ そうですね、たぶん、毎年秋になったら「落ち鮎、落ち鮎」と騒ぎ出すのはきっと原点だからなんでしょうね。先手イケメン封じ(´・_・`) 

  2. シリーズもの書き下ろしお疲れ様です。
    なんか自分の昔と照らし合わせながらワクワクして読ませていただきました。

    鱸、海の魚だと思いますが川で釣れる不思議な感覚が今の僕が川鱸に熱中する理由です。

    鱸が縁でこうやって知り合え、そして馬鹿野郎な釣りをご一緒していただいてるのもまた不思議な感覚です。

    これからもワクワクする釣りブログを楽しみにしてます。

    (ちょい真面目)

    では⑤を楽しみにしてます(≧ω≦。)プププ

    1. >コウイチさん ありあがとうございます( ´∀`)

      スズキは川魚ですってw 海に入れたら死んでしまいますよww
      コウイチさんとの出会いも、このブログでしたもんね。それだけでも続けてきた価値があるってものです。いやホンマ。
      ⑤スピンオフ~イケメンと陸釣り~でも書きますか(≧ω≦。)プププ

  3. 楽しく読ませて頂きました。

    僕は、ルアーは長い間、バスオンリーやったです。
    ソルトルアーは新参者ですねん。。

    釣りの昔話?をしてると、毎回必ず思うことがあります。

    ドラえもんのタイムマシンに乗って、
    最新タックルを持って、20年前の海で釣りしてみたいなーって。
    爆釣かな??逆に貧果やったりして・・・
    そして、20年前の格安株を買って帰って来たいです。。

    1. >かじやんさん ありがとうございます( ´∀`)

      あ、バスオンリーだったのですね! 意外や意外。小学生の頃から海にボート浮かべてるイメージですわw
      そうですね! 昔の海(川)で今のタックルでやってみたいです。
      日高川もずーっと昔はメーターオーバーが年に何本か出ていたようですし(;´д`*)ハァハァ

      僕は1日前でいいから戻りたいです。ロト6の当選番号新聞で確認して、前日にもどって買いたいです(´・_・`)

  4. こんにちわ。
    密かにブログの愛読者です^_^
    私は大阪から和歌山にシーバスを求めてちょくちょく足を運んでいる者です。
    いつもはコメントはしませんが、
    僕と鱸シリーズはわくわくして
    短編小説の様で次はまだかな…
    と何回もアクセスしておりました。笑
    初めての鱸との出会い、感動、がこちらまで伝わって来ました。
    私は日高川までは行く事はないですがまたお会いした際は声をかけますんで、よろしくお願いします。

    1. >Nさん はじめまして! コメントありがとうございます(*^_^*)

      あ、こんな内容も何もないブログを愛読して頂きましてありがとうございます(;´д`*)ハァハァ
      もう、ええオサーンなんで、過去が懐かしいんですよね。。ちょうど、この機会(100万アクセス)で振り返ろうかなと思いましてw

      初シーバス、今でも宝物のような思い出です。日高川は来られないのですね。僕も県内全域で釣りをしていますので、お会いできればうれしいです。ありがとうございました!

  5. まじめですなぁ。

    前からうかがってたシーバスの熱意ですねー。

    わてはもうしばらくお気楽お笑い担当を務めさせていただきまっせ~♪

    1. >青山団長 ありがとうございます(*^_^*)

      まさかの、こっちにコメントw ニジマスはスルーw

      スズキについては真面目に行きますわ。串本ボートフィッシングみたいなのは、あれはあれで楽しいですしねw

  6. やはりルアーフィッシングの原点はブラックバスでしたか!
    そう言う私もバスあがりですが、シーバスはまだまだ初心者に毛の生えた程度。
    ひろさんのリバーシーバスにかける熱意を垣間見させていだだきました。
    思い返せば、ストリームシーバスに目覚めさせてただいたのは、ひろさんでしたね!
    お陰で、今までの釣りでは物足りなくなってしまいましたよ(^-^)/
    ひろさん初め色々な方の技を盗み見る日々が続いておりますが…

    1. >Sさん ありがとうございます(*^_^*)

      そうですね! バス釣りは釣らせてもらうばかりで、あまり原点というイメージはないのですが、言われてみれば原点はバスですね!
      基本的にスズキは川魚という感覚でやっていますが、Sさんもご存知の通り、漁港のマイクロベイトや磯マル、ドブなど、和歌山県内でもいろんなシチュエーションで楽しめるのがいいですよね♪

      では、いよいよ本格落ち鮎シーズン。お互いええ魚を捕れるよう、頑張りましょう!

  7. こんな感じのブログもまたいいですねー*\(^o^)/*
    楽しく読ませてもらいました。

    1. >けんたろすさん ありがとうございます(*^_^*)

      字数が多くてめんどくさいから、あまりこんなんは書かないけどねw
      たまにはw

  8. あぁ〜お腹いっぱいになりました♬
    益々ひろさんに会いたくなりました。
    もっと色んな話を聞いてみたいです(^_^)

    1. >たかじゃんさん いつもコメントありがとうございます(*^_^*)

      僕もぜひたかじゃんさんにお会いして、いろんなお話を聞かせて頂きたいのですが、いかんせん僕は人見知りのコミュ障なので「なんやコイツ」ってなると思いますよw いわゆる変な人ですからw

      でも和歌山市内でもわりとウロウロしていますので、お会いできた時は一緒に釣りしてくださいね( ´∀`)

  9. 鱸愛炸裂のログ、楽しくそして興味深く読ませていただきました!

    例のフッコの写真、小学館から出ていた釣りキチ三平が表紙の<ルアー釣り入門>ですかね?今は亡き服部名人が出てるやつ(笑)違ったらごめんなさい。

    ひろさんの師匠は日高川というのが羨ましいいです。

    僕は生粋のドブ川育ちで、秋の落ちイナパターンでドリフトを覚えた口なのですが、ドブであっても清流であっても、やっぱ流れのある川が好きですねー。

    日中にトップにガバッと出るわ、ビッグベイトに食らいつくわ、モンスター級が釣れるやら、鱸の本領が最も最大限発揮されるのも川なんじゃないでしょうか。

    釣れた一匹一匹の印象が強く後々まで残るのも、何故か川が多いのですねー。

    なので、僕もやっぱり川が好きです(笑)

    1. >TOYOさん ありがとうございます(*^_^*)

      フッコの写真、おそらくそうだと思います。矢口高雄先生が書いた絵で服部名人が載っていた気がします。釣り入門、海釣り入門、川釣り入門、ルアー釣り入門などすべて持っていた気がするので、その中のどれかですねw それは間違いないです(たぶん川釣りではない)。

      そうです。プロフィールにもこだわりを持って書いていますが、「日高川」でいろいろと学びました。昔の日高川と言えば県内有数の大型シーバスの河川だったのですが、今は小型化が進んでしまっています。でもリバーヒラスズキというコアなジャンルもできました。

      落ちイナパターンww 初めて聞きましたよw

      でもおっしゃる通り流れのある川、そこが一番楽しいですよね! 落ち鮎シーズン、メモリアルフィッシュを捕りたいと思います( ´∀`)

  10. こんばんは。

    ひろさんが18、19才のとき日高川で初の川鱸を釣られた場所で、実は自分も初の川鱸をその合流点付近で釣りました。
    僕は当時25、26才だったんですけど、たぶん川初ヒットはひろさんと同じ時期やったんしょうねえ?
    僕も日高川の黎明期のアングラーさん方にはお世話になりました。
    夜なのでお顔とか全然覚えてないのですが、あの時のあの助言がなかったら川鱸釣りは止めてたやろ?みたいな・・・感謝です!
    そやから、これからは自分が後輩達に教える番かな~とかおこがましくも思っています。

    1. >広岡さん おはようございます( ´∀`)

      おおぅ! まじですかw 畑と竹薮を抜けてという古き良き時代を知っているナカーマですねw
      ってことはもしかして幾度かお会いしてたかもしれませんねw

      確かに夜だから顔とか全く分からない知り合いがいたりするのがシーバス釣りのおもしろいところですねw
      釣り場でめっちゃしゃべるけど、お互い昼にすれ違っても分からないみたいなw

      また、機会があれば、僕にもいろいろ教えてください(*^_^*)

  11. こんにちは。ちょっと訪問が止まっていました。
    ひろさんの釣り歴、私も自分の想い出と共に読ませてもらいました。
    私は初ルアーは、バスですね。父親が雑誌で見掛けたタックルセットを買うだけで、放置されていたので、「週刊釣りトップ」で、見よう見真似で掛けたバスは、今でも心の中で大事なバスです。
    釣り愛する全アングラーに思い出の一匹はありますよね(^^
    100万PV!?おめでとうございます!

    1. >コットンフィールさん ありがとうございます(*^_^*)

      なるほどー、バスからでしたか! 今はすっかりエギングのイメージです!
      思いでの一匹、ぼくはやっぱりこのファーストフィッシュかなぁ。自己記録の魚も思い出深いですが。
      3年で100万PV達成できました。この更新頻度で多いのか、少ないのかは分かりませんが(^_^;)

  12. とても楽しみにしていた更新
    コメントするの難しいです。うまく表現できないですが

    自分はなぜこの世界に入ったのかなぁとか読んだ後に考えさせられました。この世界で出会って影響受けた人の事とかも思い出したりして。

    ひろさんの歴史ですね。でもまだほんの一部ですね
    また今回のような更新楽しみにしています

    そして
    ひろさん若い(笑)
    IKEMEN^ ^

    1. >ひでさん ありがとうございます(*^_^*)

      ちなみに初めての釣りは、オヤジに連れて行ってもらったフナ釣りでした。その後、小アジのサビキ釣り、キス釣りとステップアップ(??)しましたね。チヌやらスズキは夢のまた夢でw

      そうですね! この世界に入って影響を受けた人は数知れず。感謝です。

      写真、、たぶん30歳の真夏ですねw スズキより女の子の方がよく釣れましたw(ウソですよ)  

  13. しばらくご無沙汰してたらいつの間にかこんな連載が( ゚Д゚)

    読ませてもらったら、めっちゃ釣りしたくなってきましたやん。

    もう南港シーズン終わりやしorz

    もっと早く読んどけばよかった^^;

    1. >スマーフさん ご無沙汰です(*^_^*)

      わざわざご訪問、ありがとうね。スマちゃんは僕からは手の届かない、すごい世界でブログを書かれているので、
      こちらからはなかなかコメントを残せないでいるのに、、ごめんねー。
      また、釣り復活の際にはご一緒してください( ´ ▽ ` )ノ

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