南紀方面で仕事が入りました。ってことは必然的に夜はそのまま釣りになるわけですが、このパターンは釣友からは「釣りのついでに仕事に行ってる」と揶揄されます。ま、否定はしませんけど。

さて、仕事を終え、つかの間の夕まずめ。先日テレビでも映っていた“超有名ポイント”でムラソイゲームを楽しむことに。数年前、ここで結構釣った記憶があるので、今回も１匹くらいは釣れるだろうと高をくくって向かったのですが、結果は撃沈。アタリすらありませんでした。潮回りでしょうか？　それとも、何らかの理由でいなくなっちゃった？

でもまぁ、いいんです。今日のメーンターゲットは「尺メバル」。“メバル”と“尺メバル”は別の魚と考えていいと思います。タックルもそれ相応のものを選ばなければならないし、ポイントも限られてくるようです。

南紀で尺メバルを釣るにあたって、ホンマに心強い助っ人がいます。テツさんです。先日、ツイッターにこんなえぐい写真を上げていました。

35.5cmのモンスター。おかっぱりで釣れるメバルのほぼマックスに近い個体では？？

で、もちろんテツさん、数釣りのメバリングをしていて偶然このサイズを釣り上げたのではなく、モンスター級を狙って開拓したポイントで釣り上げたもよう。尺メバルは狙って獲る。1月10日現在、テツさんは今シーズン、メバルを5匹釣ってますが、最小が29.5cm、最大がこの35.5cm。

この数字が物語っているように、テツさんは“メバリスト”ではなくて“尺メバリスト”なのです。

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そんなテツさんに今年もお世話になることになりました。昨年も2度、尺の手引きを受けたのですが、小メバルを数匹釣っただけという不甲斐ない僕。今年こそテツさんに尺メバルのブツ持ち写真を撮ってもらいたいと思います。

待ち合わせ場所に向かいます。途中、韓国の座礁船を発見しました。

結構、傾いてますね。昨年12月10日に座礁したようです。翌朝刊は毎日、産経に載っていました。もちろん紀南の地方紙はトップ記事で報じていました。

今のところ、深刻な被害はないんですかね？　界面活性剤などをまいているのでしょうが、どうなんでしょう。てか、この船、どうなるんでしょう？

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話はそれましたが、某所コンビニでテツさんと合流。その後飲食店でご飯を食べました。この時にお聞きした話がすごく楽しくて、もはや尺メバルを釣った気になってしまうほど。勉強になりました。

そしていざ、ポイントに向かおうかという時、あれだけ尺メバルについて熱く語っていたテツさん、タックルを自宅に忘れていたのが判明。最近、釣りに行くと必ず何かを忘れるといいます。それがこの人の魅力でもあります。取りに帰ると言うことなので、僕が先に一人で向かうことになりました。

ポイントの攻め方などは、ご飯時に聞いていたのでなんとかなるでしょう。前夜にテツさんがでかいのをヒットさせてラインブレイクしてしまったというポイント。月夜だったためシモリの位置などは容易に分かりました。それにしても、これ以上ないと言うくらいのベタ凪。

「メバル凪ぎ」とよく聞きますが、実は「荒れていたほうが食いが立つ」というのが、多くのアングラーが感じているところ。凪の日はライトゲームが“やりやすい”だけであって、それが魚の活性がどうかとなると、やはり別問題です。

月夜でベタ凪。どうなんだろう･･･。やや不安材料を抱えたまま、テツさんが到着するまで、重めのジグヘッドで攻め続けましたがノーバイト。テツさんが到着と同時に、潮もかなり引いてきたのでフロートリグに変更。

ここで一つまた不安材料が。単体のジグヘッドは尺メバル対応「ストロングまっすぐ」を使っていたのですが、フロートリグにするためにはジグヘッドを軽くする必要がありました。迂闊にも手持ちの軽量ジグヘッドは「鏃」（やじり）の0.3gしかありませんでした。鏃が悪いとかいうのでなく、フッキング重視のため、かなりの細軸。どちらかと言えばアジングのジグヘッドなのです。

ま、なんとかなるでしょう。とキャストを続けるも、ジグヘッドの細軸などいらぬ心配でノーバイト。テツさんもノーバイトでした。ベタ凪の月夜。いわば、魚からすると一番“見破りやすい”状況だったので、それも関係あるのかも。 ベイトフィッシュは浅場に多くいたのですけどね（汗）。

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ふぅっとひと息。ふと夜空を見上げます。いつも南紀に来ると思うのですが、本当に星がきれいなんです。ちょっと意外かもしれませんが、僕、実は星座が好きだったのです。小学生の頃、実家の屋根に上ってずっと星空を見ていたくらい、ロマンチストだったんですｗ

よく屋根に、上ったなぁ…。

そんなことを思い出していると…

 

「！！！」

 

とっさに声に出しました。

 

僕 「テツさん、星は詳しいですか!?」

 

テツさん 「詳しくないです。どうしました？」

 

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実は小学生の頃、寒い夜に屋根に上ったのは、カノープスという星を見たかったからです。太陽を除くとおおいぬ座のシリウスに次いで2番目に明るい星で、中国では一目見ると寿命が延びる吉星と言われていますが、南の地平線（水平線）ギリギリにしか見えない星なのです。したがって実家（和歌山県御坊市）の平屋の屋根に上ったところで、他の家や、地上からの光やらが邪魔をして発見することができませんでした。

「カノープス、見たいなぁ」と思いつつ、そのまま知らぬ間に少年は大人になっていたのです。

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僕 「あの灯台の光の斜め上にある星、あれ、カノープスなんじゃないかな？ と思うのです」

星に詳しくないテツさんにカノープスがどうのと興奮気味に説明したところで、迷惑千万だと分かっていましたが、テツさんは意外な行動に。

テツさん 「iPhoneアプリで調べてみましょうか？」

僕 「？？？」

iPhoneを取り出したテツさんが起動させたのは「Star Walk」というアプリ。空にかざすとその方角にある星座、星が画面上で分かるという、なんともロマンティックが止まらないアプリです。

そして僕がカノープスだと思った星にiPhoneをかざしてもらうと、ドンピシャ！　カノープスでした！
初めて見たカノープスにテンション上がりまくりの僕。

てか、なんでテツさん、星に興味もないのにそんなアプリを入れてるの？

テツさん 「女の子が喜びそうでしょ？　そのためだけです」

なんじゃこの人ｗ（後で調べたら、しかも300円の有料アプリ！）

 

 

 

もともと謎めいた人なんですが、ますます興味深くなりました。

謎めいた人。そう、テツさんって元々東京でカメラマンの仕事をしていたようで、有名雑誌に有名人の写真を掲載したことも多々あるとか。

そんな人だから、写真に対しての理解もあるはず。ちょっと「カノープスの写真を撮りたいから時間ください」とお願いしてみました。釣りの最中でしたが、快くOKしてくれ、さらに撮影のためだけに水面がきれいに写りそうな場所に移動しました。

星空を撮影したことにない僕に、テツさんがいろいろアドバイスしてくれました。アーサー感度（昔の人は決まってこういいますｗ）、露光時間などなど。

そして無事にカメラに、憧れのカノープスを収めることができました！

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なんかもうこれだけで満足してしまった僕。次に向かった尺メバルポイントでも気合が空回り。テツさんの釣りを観察しようとリーリング速度、キャストする場所をじっと見ていました。そしてその間、フロートリグを足元に漂わせていました。

テツさんと会話をしながら、ふとロッドをあおってみると、

 

グググググググー！

 

と締め込まれます。足元で漂わせていたフロートリグに何か大物がヒットしたようです。完全に油断していましたがなんとかフッキング！　根に潜られる～！　と引き離そうとしたところでフッと軽くなりました。見てみるとジグヘッドの針が伸びてました。

心配していた通り、細軸が原因でばれてしまいました。

正体は分かりませんが、テツさん曰くおそらく大型のメバル。

テツさん 「世界記録ちがいますかｗ？」

そんなこんなで、最後はからかわれながら、楽しい釣りができました。

で、結局この日は２人ともノーフィッシュ。

はい、ここまで駄文長文を引っ張っておいて釣果なしです。ボーズorナッシング。あ、違った。オールorナッシング。これが尺メバルハントなんだと、テツさんもそうおっしゃってます。

テツさん、ありがとうございました。そして皆さま、長編ホゲブログを、ご高覧たまわり、ありがとうございました。