幸せ運ぶコウノトリ!?

 

この時期になるとついつい行きたくなる古座川。

 

紀伊半島最後の清流は

 

河口部がヒラスズキのメッカ。

 

中流部には本当にきれいなマルスズキが

 

潜んでいたりします。

以前、透明度の高い浅瀬を

 

鮭のようにバシャバシャと

 

鮎を求めて上るスズキを見たとき、

 

「これが本当のリバーシーバスや」と感動。

 

アラスカでサーモンフィッシングを

 

している感覚にかなり近い。

 

やったことないけど。

 

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10年来ずっと釣りには通っている古座川ですが、

 

一枚岩や滝の拝、潜水橋といった観光スポットは

 

訪れたことはありませんでした。

 

今年こそは見てみようと

 

カメラを持って観光案内板の前を

 

ふらふらしていると突然、

 

「今どの辺にいますか?」と、

 

おじさんに声をかけられました。

 

何がなんやら分からなかったのですが、

 

はっと思い出したのが紀伊民報さんの記事。

 

そう言えば、

 

国の特別天然記念物コウノトリが

 

古座川に飛来しているのでした。

 

記事によるとこのコウノトリは、

 

兵庫県豊岡市の県立コウノトリの郷公園が

 

先月31日に放鳥した雌の4歳らしい。

 

今月18日に串本町で目撃されて以来、

 

古座川周辺にいるようです。

 

ぼくは特に愛鳥家という訳ではないのですが、

 

またとない機会。

 

観光スポットを楽しんだ後、

 

釣りを始める夜まで

 

コウノトリ観察に参加させてもらうことにしました。

 

 

聞き込みの情報をもとに

 

コウノトリの居場所を探すと、

 

なんと釣りをしようと計画していた瀬のポイントの

 

ど真ん中に逃げも隠れもせず堂々といるではないですか。

 

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沿道には野鳥の会の会員らしき人や

 

アマチュアカメラマンらがずらり。

 

こんな中でジャブジャブと川にウェーディングし、

 

釣りをしたら

 

怒鳴られるどころか血を見るのは必至。

 

せっかくの清流が赤く染まるのも嫌なので、

 

一級ポイントでの釣りは断念することに。

 

夕まずめ、コウノトリの姿も暗がりに沈み、

 

ウォッチングは終了。

 

幸せを運ぶコウノトリにも会えて

 

「爆釣か?」と淡い期待を込めて、

 

第二のポイントに移動しました。

 

そこでは一投目でいきなりヒットしましたが、

 

キャッチしてみると40cmほどの小物。

 

しかも後はアタリもなし。

 

コウノトリは赤ちゃんを運んでくる鳥でもありますが、

 

どうやら大物は業務外のようです。

 

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有意義ではありましたが、肝心の釣果が今一つ。

 

夜のとばりもすっかり下り、

 

河川内はあきらめて

 

情報をもらおうと

 

串本のお友達の山形さんに電話。

 

「串本周辺の漁港でなんか釣れてないですか?」と尋ねると、

 

なんと彼は

 

「もっとはよ電話してこんもんよ~。

 

きょうは梶やんと2人でメジロ30本近く釣ったで!」と

 

すこぶる上機嫌。

 

マイボートで、

 

潮岬沖のメジロをキャスティングで

 

釣って釣って釣りまくって、

 

中には90cmクラスも何匹もあったとか。

 

あまりに釣りすぎてボートが沈むと判断したか、

 

最後のほうには全部リリースするという夢のような話。

 

受話器の向こうで彼は

 

「きょうやったら、あと一人乗れたし、

 

竿も貸してあげたのに~」と残念がってくれました。

 

…もしかして電話したのは失敗だった?

 

釣果はともかくラッキーにも

 

コウノトリも見ることができ、

 

ほんわか幸せ気分で帰路につく予定が、

 

なんとなくモヤモヤ気分で帰るはめに。

 

こうなったら和歌山に帰る途中、

 

山形さんと一緒に釣りをした梶やん(日高川町在住)に

 

メジロを無心するしかない(なんでやねん)。

 

さっそく電話し、

 

「ぎょうさん釣ったらしいですね~。

 

え~な~。そんなにあっても食べきれんでしょ~」とうだうだ。

 

釣り人としての恥も外聞もなく、

 

ダダをこねると、さすがは梶やん、

 

快く1本くれるとのこと。

 

majiro

 

コウノトリは最後にお情けで幸せを運んできてくれたみたい。