夜な夜な漁港をパトロールするのは、爆部の重要な任務。
特にこの時期、いつどこでシーバスやメバルがボイルしているか分からないのです。
重点的にチェックすべきは
①常夜灯の明かりの周辺
②常夜灯の明かりでできる岸壁との影の部分
③スロープ
先日、とある漁港でスロープをのぞいた時、岸際に1羽のとりさんがいました。
色といい、大きさといい、いつものアオサギかなと思い近寄ると、
なんとカモメ(たぶん)じゃないですか。
カモメが夜中に1羽さみしく陸上で休んでいるなんて見たことがありません。
しかも近付いても逃げません。
不思議に思ってよく見てみると、背中にキラキラしたものがあり、カモメはくちばしで取ろうとしています。
どうやらルアーのようです。
ベリーとリアのフックが羽の付け根に刺さり、翼を広げることができないようです。
最近、ロストする回数が多くてなんとしてもルアーを回収したいと思い
このままではカモメは餌も取ることができません。
なんとか助けたいと思い、タモ入れを試みましたが、
さすがにカモメも海に飛び込んで逃げました。
しかし泳ぐ姿勢も傾いており、よほど弱っているんでしょうか、
すぐにまた戻ってきてスロープで休み出しました。
泳ぐだけで疲れたのでしょう。2度目のタモ入れはすんなり成功。
ルアー摘出手術に掛かります。
暴れてつつきにくるカモメにかまわず、暗がりでルアーを探します。
しかしルアーの姿は羽に埋もれてなかなか見えません。
タモ入れの時に取れて落ちたのかとも思いましたが、
よくよく探すと羽の付け根の奥深くにありました。
羽毛は血で染まっています。
プライヤーを使って外そうとするも、うまくいきません。
ベリーのフックはすんなりと外れたのですが、リアのフックに手こずりました。
何度もチャレンジし、リーダーをたぐってみると、フッと外れてくれました。
やってみるもんですね!
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オフショアでナブラを撃ってる時、カモメがルアーを突っつきにくることはよくあります。
特にまだ灰色の若鳥はかなりルアーに興味を持ってアタックしてきます。
僕はありませんが、実際に「鳥を釣ってしまった」という話もよく聞きます。
しかし今回、回収したルアーは、バイブレーションでした。
シーバス狙いなんでしょうか? 青物のナブラ撃ちで引っ掛かったのではなさそうです。
さらにどうして「背中」に刺さっていたのでしょうか? 理由は分かりません。
なにより、このまま元気に快復してもらいたいものです。
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新聞などで、釣り糸が絡まって弱っている海鳥の写真が大きく掲載され、
「釣り人のマナーが問われる・・・」という内容の記事を何度か目にしたことがあります。
あたかも、針の付いた仕掛けを釣り場に捨てていくのが原因のように描写されていましたが、
果たして原因はそれだけなのでしょうか?
干潟などのシャローエリアで根掛かりし、
それが鳥に絡まってしまったということも十分に考えられます。
釣り人の意思に反して仕掛けが切れてしまうこと自体も社会悪というなら、
人は釣りを楽しむことができなくなります。
記事を書いた記者は、釣りをたしなむことはないのでしょう。
新聞社の仕事は、「巧遅拙速」が信条というきらいがあります。
しかしこの手の速報性が求められない記事で、どうして拙速な仕事しかできないのか、
問題を提起する前に海に行き、サビキ釣りのおじさんとゆっくりと世間話でもしてもらいたいものです。
写真は今回、回収したバイブレーション。
ラインはPE部分でタカ切れしており、ラインはカモメの体に絡んでいました。
無事にほどくことができましたが、
夜中に、美しい女の子が「娘にしてくれ」と訪ねてくることもありませんでした。