前回は何も分からないまま終了したというイメージ。今回は少しだけでも何かがつかめればいいという、そういう淡い期待を胸に描きながらの挑戦。昨年のお盆に引き続き、行ってきました高知のアカメ。今回、爆部の2人での挑戦は難しかったので、単独釣行も計画していたのですが、関西馬鹿野郎フィッシング倶楽部の最下層にある小部会。チンカーズの3人で行ってきました!
チンカーズメンバー構成は、私とコウイチさん、そしてトンさんの3人。チンカーズは「沈下s」という意味ではなくチン○スのごとく釣れないアングラーの集合体ということ。それについてはコウイチさんのこのブログでどうぞ。
今回、なぜチンカーズでの遠征となったのか。そもそも別にそこまでアカメについて思い入れがないと思っていたコウイチさんが、なぜ急きょ高知行きを決意したのか。それはこの一枚がきっかけでした。
そう。関西馬鹿野郎フィッシング倶楽部の重鎮、なかさんが4回目の釣行でようやく手にした「夢」。この一枚の写真が、眠っていたコウイチさんの「イキリ魂」に火を付けてしまったのです。トンさんについては静かなる男なので、ずっと心の奥底にアカメへの夢を暖めていたようですが、今回はようやく初チャレンジが叶った格好です。
僕は小学校高学年の時くらいでしたかね。釣りキチ三平の「四万十川のアカメ」を読んで以来、ずっと夢に描いている魚です。昨年ようやくその夢への一歩を踏み出したのですが、あえなく弾き返されてしまいました。僕は長年の夢。コウイチさんは「イキりたい」、トンさんは「自分が狙うなど考えてもいなかったが狙うからには絶対に釣りたい」という動機。
アカメを釣りたいという動機は、別になんでもいいんだと僕は思います。
さて。大阪府内で待ち合わせし、出発したのが土曜日の夕方。3人とも釣れる気満々で車内はフルテンション。事故渋滞に巻き込まれましたが、会話も弾み、数回サービスエリアで休憩しながら現地に到着したのが夜中の12時少し前。前回はオープンエリアにこだわった釣りをしたので、今回は河川がらみの釣りからスタート。適当に目星をつけた橋の上から川をのぞくと、、いました! 数匹のアカメを目撃。しかもかなりデカいやつも。フィーディングモードに入っていないのか、ボケーっと浮いていました。初めて見る天然の生きたアカメに、テンションが上がりまくりなので写真を撮っている場合ではありませんでした。
まずはその橋の下で挑戦。フローティングミノー、シンキングミノー、バイブレーション、、その他諸々。何を投げても無反応。橋の下、暗い部分を歩いていると、大きな影がスーッと深場に消えていきました。
その後、河川の橋の明暗を攻めようと移動するも、めぼしいところはどこもかしこも満員御礼。3連休なので、そりゃそうでしょうね。湾内オープンエリアに移動したところ、車が2台止まっていましたが、2台とも車内でアングラーさんが寝ていました。上げ潮で実績がある場所だったので、おそらく下げになったから休憩していたのでしょう。一応、海をのぞいてみると誰もいなかったので、ここで釣りを再開。ベイトはたくさんいたのですが、気配なし。遠くで2発ボイルがあったような気がします。
延々とキャストを繰り返しますが、当然のようにアタリもなし。そういえば、アカメにはボンボンが効くと聞いたことがあったので、ボンボンに付け替えてキャストすると、すぐにアタリが! 小型のアカメを期待したのですが、上がってきたのは
見慣れた魚体。キビレは南国高知でも裏切りません。とりあえず魚の引きに飢えていたコウイチさんもボンボンに付け替えた途端、
良型キビレをゲット。
高知県まで来て「時代はチヌやな!」と不敵に笑っていました。
時代はチヌでも狙いはアカメ。そのまま夜明けを迎えてこの日は終了しました。
◇ ◇
高知市内至るところにある24時間営業のお弁当&コンビニエンス「くいしんぼ如月」でチキンナンバン弁当を購入。イートインが可能だったので空腹を満たしました。
その後、下見を兼ねて車で市内の小河川沿いを移動します。途中で立ち寄った場所では小さなインレットがあり、そこには無数のボラとコイが集結。大きな水門もあり、シーバスらしき魚影も見つけました。コウイチさんが言うには小さいアカメの実績もあるようなので、僕はライトタックルを持ちだして釣り開始。シーバスが見えていた水門のシェードを攻めると、、、
体高のある魚体が食い上げてきてヒット!
「よっしゃー!!」
シーバスより断然体高があったので小型のアカメだと思い、期待したのですが、
またもキビレww
安定度抜群ですね。ボラまみれのインレットを撃つも一度アタリがあっただけで終了です。
◇ ◇
身も心も疲れ果て、休憩のためにアカメ遠征組のためにあるとも言われる「ぽかぽか温泉」に移動。「高知ぽかぽか温泉」と「土佐ぽかぽか温泉」の2カ所があるのですが、今回は土佐ぽかぽか温泉に向かうことに。
温泉でゆっくりと昨晩の疲れを取ります。施設は740円(高知ぽかぽかは690円)で休憩し放題。いろんな種類の温泉や各種コーナーも充実しており、オススメです。
温泉から上がり、死んだように仮眠する僕。しかし数分後、地鳴りのような大きな音にびっくりして目覚めました。正体はコウイチさんのいびき。コウイチさんの隣で仮眠していた兄ちゃんも飛び起きたようで、怒ってどこかに行ってしまいました。
◇ ◇
ぽかぽか温泉で疲れを癒やし、昼ご飯を食べに行きました。詳しいことは割愛しますが、海のレストラン鰹群屋(なぶらや)で名物の「ワラ焼き鰹たたき御膳」を注文。
絶品でしたが、ここで訳あって2時間くらいかかってしまいました。
その後は桂浜に移動して水族館に寄りたかったのですが、時間もあまりありませんでした。水族館に入ってもすぐに出ないといけない感じだったので、断念。決して入館料の大人一人1200円にビビッた訳ではありません。
観光地ではしゃぐオッサン3人。なんだこれ。
◇ ◇
さて2日目夜の部。コウイチさんは小河川の上流部、僕とトンさんは下流部で夢を追います。トンさんとポイントを探りながら下流に歩いていた時、水門を発見。勢いよく水が出ており、無数のボラがいるのが分かりました。潮位的には上げのタイミング。下流からアカメが差してきたなら、必ずや一度は止まるであろうと思い、ここで粘ることにしました。
蚊の猛攻に遭いながらも延々と黙々とキャストを続ける2人。しかし一向にアタリすらありません。ボイルもなく、数時間が経過。ゴツっと1回アタリがあり、フッキングしましたが、これはだまされませんでした。
そうボラですね。それも、ちゃんと口に掛かっていました。
アカメは、シーバスやチヌとは違うのは分かっていますが、自分の中で築き上げてきた釣りはシーバスやチヌを基盤にしています。例えば橋の明暗部、そして例えばインレット。和歌山でシーバスやチヌを狙うにあたり、こうしたポイントを数カ所めぐるとすると、アタリがあったり、ボイルがあったりと、必ずやなんらかの反応があります。アカメをそれに当てはめるのは間違いかもしれませんが、実際に橋の明暗などは、アカメの一級ポイントとされていますし、昨晩には姿も確認できました。このボラまみれのインレットも必ずや何らかの反応があるかと思ったのですが、そう甘くはありませんでした。
コウイチさんは、地元のベテランアングラーのアドバイスを聞きながらランガン。しかしやはりノーバイト。3人とも夜中まで頑張りましたが、一度合流することにしました。
「やはり一筋縄では行かない…」
疲労困ぱいのチンカーズ。名前の通りチン○スの集まりで終わってしまうのか。最後の望みをかけて行ったポイント。他のアングラー達もたくさんいます。そしてポイントを偵察している時、足下でドパーンと大きなボイル音。正体は分かりませんでしたが、かなりでかい音でした。アカメがいるかもしれないというそのポイントでラストアタック。開始早々、これまでノーフィッシュだったトンさんが何かをヒットさせました。しかしこれはボラ。しかもボラを連発していました。
気配はあるのかないのか。どんどんとベイトの量は減って行ってる気もしましたが、投げるしかない。修行の釣りです。僕はミノーからシンペンにチェンジ。フルキャストして表層をユラユラと引いてくると
待望の引ったくるようなアタリ!
ファーストランでかなりラインが引き出されます。
ゴンゴンとティップを叩くような引き。
そしてとてつもない重量感。ドラグも逆転しっぱなし。
間違いなく大型魚の引きでした。
寄せても寄せても出されるライン。何分ファイトしたでしょうか。相手は一向に弱る気配がありません。途中、気になったのが全くエラ洗いをしなかったこと。「エイか・・・?」との不安もよぎりますが、相変わらずゴンゴンと頭を振るような感触が手元に伝わってきます。
相手もようやく弱ったのか、寄せてくる時にはただただ重たいだけ。そしてようやくランディングに持ち込んで、その姿を見ました。
そう。やはりエイでした。
尻尾の付け根、ちょうどトゲの辺りにスレ掛かりしており、どうやらゴンゴンと叩く感触は尻尾がラインをはたいていたようです。この上ない脱力感からへたり込みそうになり、そして最後の最後でラインブレイク。ルアーをロストしてしまいました。
僕のモチベーションはこれにて終了しましたが、とりあえず投げないと釣れないのでリビングデッドのような状態でキャストを続けました。
コウイチさんは眠気のためリタイア。僕はフラフラになりながらキャスト。トンさんは相変わらず元気いっぱいでキャスト。最後の最後、僕は眠気でダウン。空も白んできて、遠のく意識の中でトンさんの声が響きます。
「ひろさん!来ましたよ!!」
目を開けてみるとトンさんのショアジギロッドがブチ曲がっています。相当なビッグファイトを展開。しかしこの魚もエラ洗いはしませんでした。2人ともおおよそ分かっていたのですが、この目で見るまで正体は分かりません。トンさんは最後の力を振り絞ってなんとかランディング。
正体は
やはりエイでした。。
僕の知っているだけでこのポイントでこの日5匹目のエイ。相当数がいるようですね。
さて、このままタイムアップ。今回のアカメへの挑戦も撃沈でした。しかし、前回とは違いいろいろと試す余裕があったこと。そして姿を確認することができたこと。さらに現地ならではの情報を仕入れることができたこと。
これらはすべて次回釣行に生かすことができると思います。夢への挑戦はまだまだこれからです。
きょうの一曲。