ご無沙汰しております。ひろです。動画の勉強を始めましたと前回の投稿で報告させていただきましたが、実際やっております。ある程度撮れるようになってきたら楽しいものですね。
さて、話は釣りに戻ります。アングラーは、できるだけいろんな釣りは経験することが大きく引き出しを増やすことにつながります。
フライフィッシングでの経験
私も数年前から少しだけ渓流のフライを勉強させていただいているのですが、師匠であるB東さんからドライフライの流し方についていろいろ教えていただいています。
B東さん曰く、イワナ釣りの場合、完璧なコースに毛ばりを流すと、イワナの食い方は、パシャっと急いで反転するのではなく、着き場からゆっくりと出てきてパクっとくわえてゆっくりと戻るというのです。
B東さんとの釣行で、私はその瞬間を垣間見ることができ、驚きました。B東さんの流す毛ばりを見ていると、スーッと下から魚影が現れ、まるでスローモーションを見ているかのように水面の毛ばりをくわえ、戻っていったのです。
完全にイワナに毛ばりを餌だと思い込ませた瞬間だったと思います。
いかにして違和感なく魚に口を使わせるか
さて、今回のタイトルは「アタリの出ないアジングワーム」であります。
なぜ、アジングワームの前にフライの話をしたのか? それは2023年の春、私はやはり、かなり驚いたことがあったのです。今回はその時の話になりますが、興味のある方は長話にお付き合いください。
私はアジング・メバリングにおいて、「いかにして違和感なく魚に口を使わせることができるか」を長年考えていました。
そこに登場したのが、アルカジックジャパンのシャロ―フリークだったわけです。最初はFタイプだけで、ネイルシンカーを打ち込んで沈めていたわけですが、その後DIVEという沈むタイプが発売され、これが私のライトゲームを大きく変えてくれることになったのです。
いかに水中でワームを漂わせることができるか。
水中でワームをうまく漂わせるためには、
- まずなによりロングリーダーが必要
- そしてジグヘッドはできる限り軽量に
- ワームは浮力が高いほうがいい
- ほどよく潮通しのエリアを選びたい
これら4点を満たせれば、きっと無双できるものだと。
可能な限りのロングリーダーを生かすため、当時のライトゲームロッドとしては異色のブルーカレントの9.1ftを購入し、ジグヘッドを軽量化するため、最初は「がまかつキャロヘッド」の0.2gを多用していました。その後、もっと軽くしたいと思い、少し大きめの袖針にワームをチョン掛けして使ったこともありました。
ワームについてはここでは大きな声では言えない素材で試作しました。
そして上記の①②③④がマッチした時、それはもう尺メバルも尺アジも、いとも簡単に数釣りできたのです。シーバスばっかりやっていたこのブログで、じわじわとライトゲーム回が多くなってきたのはこれが楽しかったからです。
うおかぜよういさんとの出会い
ただ、ワームだけがちょっと変則的でだったので、私の構想のワームができたら最高なのにな…。
そんなことを思いつつ、数年が経過しました。
そして2022年秋、私はハンドメイドで超こだわりのワームを作る「うおかぜようい」さんと運命の出会いを果たすのです。
きっかけはインスタグラム相互フォローになって、このメイドイン和歌山のワーム、面白そうだなと思って軽い気持ちで買ってみたことでした。
ネットで購入し、数日後に着弾。開封しての第一印象は、
「え? ワームってこんなにきれいなん?」
ということでした。
特にクリア系のワームの美しさたるや、バリや曇り、色ムラなどは一切なく、透き通るマテリアルはもはや芸術品の域で、まさに衝撃でした。
そして、「うおかぜようい」さん、送り主の住所をみて、わりとご近所さんだったことにさらに衝撃を受けました(笑)。
「近所だったら会うしかない!」。そう考えた私は早速コンタクトを試み、近くの飲食店で初めてお会いすることができました。
初対面なので、最初は様子見で話を聞いていたのですが、だんだん盛り上がってきてからは、
「この人ヤバい…」
と思うようになりました。というのも、過去見たことないくらいものづくりに対してのこだわりが強い人だったからです。まさにザ・職人。クラフトマンシップの塊だと分かりました。ちょっと常軌を逸した変人レベルです(※褒めてます)。
この人しかいない!
そして何回か会合を重ねるうちに、「この人しかいない」と思うようになりました。そう、私が長年温めていたワームの構想を伝えたところ、「うおかぜようい」さんも「面白い!」と言い、長さや形状、こうしたいという具体的なアクションなどを試行錯誤しながら、試作してくれることになりました。
何日か後に初期プロトが完成しました。
その後も私のわがままを伝え、期待通り、いやそれ以上のものを生み出してくる「うおかぜようい」さん。寝ていないのか会うたびに目の下にクマが濃くなってきている気がします。
「無理せんといてくださいね」というお言葉も何度掛けたことやら。。分かりやすく言えば「某鬼を滅ぼすアニメの刀鍛冶の〇塚さん」的な集中力とこだわりの持ち主だと思ってもらえたらいいです(分かりにくいって?)。
私もその期待に応えるように釣行を重ね、改善点を伝える。そんなこんなを驚くほど短い期間で繰り返し、ようやく完成形に近づいてきた3本目のプロト。それを手渡していただいた時にこのブログでもよく出てきている友人のコータくんを紹介しました。
そして、コータくんにも手伝ってもらい、フロートアジングのテストに向かいました。
2人してアタリが出ない不思議な体験
そしてここで2人して不思議な体験をすることになるのです。
0.2gのジグヘッドに「うおかぜようい」さんのワームをセット。いつものように潮に乗せながらフロートを流しているのですが、魚からの反応はありません。
アタリないな、と思って回収作業に取り掛かったところ、
「あれ? 食ってる!」
アタリは出なかったのですが、魚はがっつりとそのワームを飲み込んでました(※この記事の写真は、ワームが写るよう口の中から出しております)。
そしてその後も同じようなことが何度かあり、アタリがないので竿先を立てて訊いてみると、「掛かってる!」ということもありました。
少し離れた場所でやっていたコータくんに尋ねたところ、やはりアタリがなく、回収時に針掛かりしていたというケースが何度かあったようです。
その日の活性か何かの影響か?
検証するために、ワームを他社の市販品に変えたところ、今度は明確にアタリが出るのです。
そして「うおかぜようい」さんのワームに戻すとアタリが出ない(笑)。
もちろん、アタリが出る時もあるのですが、基本、他社製品に比べ、圧倒的にアタリがないです(笑)。
……はい、もうお気づきだと思いますが、決して「うおかぜようい」さんのワームをDisっているわけではなく、そう大絶賛しているのです。
アタリがないのにフッキングしていたということは、私がずっと追い求めていた「違和感なく魚に口を使わせている」という仮説が立てられるのです。
最初にイワナのフライの話をしたのは、それです。あのゆっくりと毛ばりをくわえ、ゆっくりと沈んでいった印象的なあのシーンとどうしても被るのです。
今回のケースでは、アジは完全にワームを餌だと思い込んで、急いで食って反転したり吐き出したりしたりしたわけでなく、目の前を漂ってきたので、違和感なくパクっと飲んでしまったのだと思います。
その後、ワームを吐き出そうとしたり暴れたりしようものですが、この日はそう言った大きな動きはロッドには伝わらず、本当に不思議な体験をしました。
もちろん、フロートリグのロングリーダーというのはアタリがボケやすいものですが、それでも他社ワームを使用するとグンっとかゴンっとかアタリが出ます。
しつこいようですが、「うおかぜようい」さんのワームのみ、アタリが出ないことが多かったのです。
この秋、テスト再開!
この話は2023年春のことで、その時ちょうど私は体調を崩すことが多くて、テストの回数を重ねることができませんでした。そして今になってようやく体調も戻りつつあり、この秋のシーズンからはまたテストを再開しようかと思ってます。
「うおかぜようい」さんも、それまでにもっとブラッシュアップすると意気揚々です。
さて、この魚に違和感を与えず丸呑みさせてしまうアルティメットワーム。
もちろん、海の中を見ているわけではないので、アジはどんな食い方をしているのか。なぜアタリがでないのかは推測でしか過ぎません。釣れるワームなのは間違いないです。
ただ、大きな難点がありまして、
アタリが出ないというのは、ゴンっと手元に伝わる魚とのコンタクトの瞬間、一番テンションが上がる、あの釣りの醍醐味を損なうという大きな犠牲を伴うのです(笑)。
それっていいのか悪いのか(笑)。そんな葛藤と戦っているわけですが、さらにブラッシュアップするということなので、
今後はどうなることやら、楽しみです。ではまた、この続きは秋以降に気が向いたら書こうと思っております。