備えあれば憂いなし。
ことルアーフィッシングにおいて、最小限の装備を車に積んでおけば
いきなり目の前でスーパーボイルが始まった時などにも対処できたりします。
車上荒らしの心配もあるので、必要最小限に留めておきたいものですが。
さて。
4月中旬。和歌山県某河川中流域。
夕まずめのワンチャンスに期待してリバーシーバスを狙います。
手にしたロッドはというと、ダイコープレミアPMPE-87st
エクストラファストテーパーのハイブリッドソリッドモデルです。
ラインはPE0.6号。
ルアーは9cmのミノー。
ちょっとライトタックル過ぎないかという声も聞こえてきそうですが、
これには訳がありまして。
実は春の河川内でシーバスを狙う時は、幻の魚サツキマスに備えているのです。
当然、瀬の周辺を攻めることになりますので、
ランカーサイズのシーバスがヒットすると苦労することになりますが、
シーバスなら、少々は獲れるという楽観的観測です。
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さて、まずは瀬落ちを狙います。
瀬落ちと言っても、先日来の雨のせいか、
かなりの水量で流れも速いです。
慎重に河原を歩き、瀬にキャスト。
渕に流し込んで行くもノーバイト。
少しずつ下流に移動しながら、瀬落ちの内側のたるみを攻めます。
この流れではシーバスはたるみにいるでしょう。
数回キャストしてもノーバイト。
今度は、ちょっとサツキマスを意識しながら
アップクロスにキャスト。
トゥイッチ、トゥイッチ・・・。
そして、たるみから流心に差し掛かり、ラインに重いテンションが掛かった瞬間、
ググッと穂先が押さえ込まれました。
セイゴかなとも思いましたが、
結構な水圧が掛かる流心でヒットしたのと、
セイゴ独特のマッハエラ洗いはありません。
少しの期待を抱いて、慎重に寄せます。
かなり日も暮れていました。
ほの暗い河原にずり上げたぼんやりと光る銀鱗は
間違いなく
憧れの
サツキマスでした!
サイズこそは36cmと、サツキマスにしては小型でしたが、
全身から出るオーラ。
神々しいまでに心奪われる体躯。
ついに、ついにゲットしました!
十数年間、何度も足を運ぶも撃沈続き。
釣れるわけもないとあきらめていた魚です。
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さて。果たして、今回選んだタックルが、
バイトを弾きやすいシーバスロッドだったら獲れていたのでしょうか?
それは分かりません。しかし、万が一、サツキマスがヒットした場合のことを考えて
タックルを選んだのは間違いありません。
このプレミア、当然、本流のトラウトを狙う設計で作られている訳ではありませんが、
ソリッドティップで食い込みが良く、さらにエクストラファストテーパーなので
トゥイッチングもしっかりと決まります。
これに激流でもきっちりと泳ぐ
K.Iミノーという組み合わせで、
おそらく、かなりトラウトには効くと思われる組み合わせです。
シーバス狙いながら、サツキマスを強く意識。
備えあれば憂いなし。
まさに、そんな一尾でした。
県内の河川は昨年の台風で大きなダメージを受けています。
この瀬の形状も、以前とはまったく異なったものになっていました。
そんな中でも、故郷の川に戻ってくる生命力。
本当に素晴らしい魚だと思います。
次はいつ会えるのか。否。もう二度と会えないかも。
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先日、近しい人と突然の別れがありました。
人、自然、常に一期一会の精神で・・・。
![]() REEL =月下美人MX2004 LINE=PE0.6号 LEADER=フロロ3号 LURE=K.Iミノー 9cm(アユカラー) |