グリリンでオヤニラミ?

紀北エリアのとある水域で、スズキ科で唯一の純淡水魚オヤニラミが生息しているという情報をキャッチ。以前から和歌山県内にいると聞いてはいましたが、ピンポイントで場所が特定できたのは今回が初めて。非常に興味深い魚ということで自分の目で確かめたくなり、そしてできればモニタリング中のグリリンで釣ってみたいという欲求が沸いてきました。

オヤニラミについて少し。この魚、環境省のレッドリストで絶滅危惧IB類に指定されており、京都の由良川以西、四国東北部、九州北部などに分布しているそうです。そう、もともとは和歌山県内にはいないはずの魚なのです。それが観賞用として全国各地に広がり、各地で逃げられたり、逃がされたりして増えているようです(国内外来魚といいます)。ちなみに大きさは12cm程度のよう。

本来はいない川にいるとうことで生態系に与える悪影響は大きく、駆除対象になるようです。保護すべき魚が駆除対象に。なんとも複雑な心境ですが、本当にこの和歌山県内にいるのか? 事前の情報では同じ河川の別のエリアでキャッチされているという情報を仕入れました。

夜行性? それとも昼行性? 濁りがあったほうがいいの? シーズンとかあるの? 全くの未知数。あまりにも情報量が少ない中でのチャレンジです。ネットで検索してみたらワームでも釣れていたようですが。。

◇        ◇

さて、何はともあれ現地で確認しないことには始まりません。とりあえず夜は避けて、昼のみの釣行です。その結果、何度か2つのエリアでチャレンジしたのですが、どちらもエリアでも、、

カワムツ地獄!

釣っても釣ってもカワムツばかり。

中には20cmクラスも。。。しかもコイツ、歯が格別鋭いという訳ではないのですが、なかなかの噛む力で、軟らか素材のグリリンはすぐにボロボロにされるという始末です。

◇        ◇

次のチャレンジで企てたのが餌釣り。

ミャク釣りで餌はサバムシを使用。しかしこれでも当然のように待っていたのはカワムツ地獄。もう写真すら撮ってません。

「本当に生息しているのか?」。

かくなる上は日本伝統漁法である「ガサガサ」しかありません。某日、雨で増水気味の河川でガサ入れすることに。夏場なのでナイロンウェーダーをはきます。増水後なので流れがきつい! 足を取られないようにしないと。

足を上げると水圧でフラフラ、しかし開始3分くらいで

「ん? タモになにか入ってるぞ??」

「お、こ、これは!!」

オヤニラミ、ゲットwww

しかもランカーサイズです。

カワメバル、ヨツメ(四つ目)などと言われる赤い目をした肉食魚。

とりあえず再放流するのもなんだし、持ち帰って飼ってみることにしました。

◇        ◇

さて、オヤニラミですが、紀北エリアで生息していることが自分の目で確かめることができました。本来はいないはずの魚、なぜこの川にいるのでしょうか? それは「人の手」に他なりません。あくまで推測の範囲ですが、おそらく誰かがどのようにしてか入手し(最近ではネットでの購入も可能)、それをこの川に放したのでしょう。

その結果どうでしょうか――。

和歌山の自然については何でも教えてくれる「和歌山県立自然博物館」によると、もっとも個体密度が濃いと思われる場所で採取したところ、一日で100個体を捕まえることができたとのこと。このデータを基に拡散分布の推定プログラムを掛けて計算すると500~1000個体となったそうです。

これが6年ほど前の話であり、最近では1000~3000個体の想定値になるというから驚きです。遺伝子的なチェックをしたところ、岡山県をベースに高知と九州のモノが1個体のDNAの中に交じっていたと聞きました。

実はこの“雑種オヤニラミ”がこの川で見つかったのは、10年近く前のこと。京都大学と近畿大学の学生が調査をしていた時に偶然見つけたのがきっかけだったようです。オヤニラミは、小魚、エビ、水生昆虫を餌にしています。このまま増え続けると、トンボなどの希少種が減少する可能性が高いとのこと。自然博物館では、本来の生態系を守るため、何度か駆除を試みたようですが、個体数が増えすぎており、無理だったようです。

この川は水が綺麗で、水温も安定して、ブラックバスやブルーギルがいません。しかも川岸には抽水植物があり隠れ家や産卵場所があります。オヤニラミは親が卵を保護するので、この川では卵が他の魚に襲われる危険は低いのです。この環境の良さが繁殖、定着の理由になっているようです。

しかし、もともと生息している岡山、九州、四国では個体数が減少しています。それは、いずれの生息地もバスやギルの影響と用水路のコンクリート化、乾田化などによって従来の住み処である小川にいられなくなっているとのことです。

本来の生息地では、絶滅危惧にまで追い込まれ、もともといないはずの和歌山では各地の遺伝子が交じった個体が増えすぎて駆除対象になっています。

これらはすべて人の手によって引き起こされていることであります。人の手は神の手ではありません。今一度、こうした事態が故郷の和歌山県内で起こっているということを再認識し、自然と対峙したいと思いました。

・・・今回、タイトルつけるなら、「グリリンでカワムツ」でしたね。。。

(取材協力:和歌山県立自然博物館)

 

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「グリリンでオヤニラミ?」への8件のフィードバック

  1. 密かにカワムツおもろそうですやん。
    ハードで食わんかな~Σ(ノд<)

    1. >Sさん まさかのカワムツへのコメント(笑)

      ハードルアーでも釣れますよw

  2. カワムツは小学生の頃学校終わって釣りに行ってました(*´∇`*)

    1. >ツカピー だからなんでカワムツやねんw

  3. こんばんは☆オヤニラミ愛好家のたけまんです♪( ̄∇ ̄*)ゞ

    ひろさんのブログで、まさかのオヤニラミ!
    でも和歌山でも繁殖してしまってたなんて…( ̄~ ̄;)

    一部の単純で軽率な人の手によって生態系に悪影響が及び、愛すべきオヤニラミ達が駆除対象となるのはとても悲しいことです。

    闇放流やペットの飼育放棄などで、オヤニラミに限らず、他の生物でも同じようなことが起きていることが本当に残念でなりませんね。

    飼育は順調ですか?(⌒‐⌒)
    餌付けに苦労されてませんか~??

    1. >たけまんさん ななな、なんと! たけまんさんがオヤニラミ愛好家だったとはww

      そうなんです。和歌山で一大コロニーができているようで、、、本来なら岡山や四国にてこのような護岸整備がされていない自然のままの環境を取り戻せたら理想なんでしょうが、なかなかそうはいかないようですね。

      ほんと、愛すべきオヤニラミが駆除対象は、悲しすぎます。。。

      餌付けですが、メダカは順調に食べてくれています。どこかのタイミングで冷凍赤虫にしたいと思っています。
      また、分からないことがあれば相談します。よろしくお願いいたします( ´ ▽ ` )ノ

      p.s.先日、伊藤さんとご一緒させていただきましたよ♪

  4. 久しぶりにコメントさせていただきます!
    オヤニラミの飼育に挫折したトヨですw
    僕も和歌山で初めてオヤニラミを捕まえたときは、それはそれはめちゃくちゃ嬉しかったですし、和歌山の大自然に勝手に感謝したりもしてたのですがw
    “国内外来魚”であることを知って、本当に愕然となりました・・・
    これは本当に難しい問題ですね。
    まあ、故郷に帰してやるのが一番いいのでしょうけど・・・
    コンクリート護岸がなんかが河川の生態系に与える悪影響についても、僕も日本の伝統漁法(笑)ガサガサをやるようになって、リアルに見えてくるようになって来たのがあります。
    いつか、ガサガサもご一緒したいですね!

    1. >TOYOさん その節はお世話になりましたw

      そうなんですよね、僕も和歌山産がおるものだとばかり。なのでちょっとショックです。
      故郷に帰そうにも、すでに和歌山のオヤニラミは岡山、四国、九州の血が混じっているので、それをまた帰すとなると問題になるんですよね。。。
      原産地を守るには、はやり環境の整備からかもしれませんね。

      オヤニラミ、飼育難しいかなぁ。。頑張って飼ってみますw
      ガサガサ、、、一緒に行きますかw

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