忘れ得ぬ夏の日②

コウイチさんのサプライズアカメ祝賀会を主催したのは川原さんとかおりちゃん、そして川原さんと親交の深い、磯ヒラの名手・はまさんでした。はまさんは2、3年前から高知通いをし、今では川原さん、かおりちゃん同様に〝行けば釣る〟状態でアカメを手にしている色黒アングラーです。

はまさんは、川原さんとかおりちゃん同様、ことしもすでにアカメを何匹かゲットしており、ボクははまさんに対して「もう高知出禁やで!」と冗談で言っていました。

そんなボクですが昨年同様、仕事が忙しくなかなかまとまった休みが取れません。しかし、7月11日になんとか一日だけ休みが取れそうなことが判明(14~16日の3連休は仕事だったので、せめてその代休ということで)。

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2カ月前からその日を休みにし、そしてうまいこと新入社員も来なかったため、ことしは2年ぶりにチャレンジできることになりました。

はまさんは、そのちょうど一週間前の7月4日前後で2泊3日でチャレンジするとのことでした。「お互い頑張りましょうね」と健闘を誓い合っていたのですが、その直前になり、はまさんからLINEが来ました。

なんと、はまさんの休みがずれて7月10日、11日と変更になったようです。

はまさんから「ひろさん、ご一緒しましょう!」とうれしいお言葉があり、ことしは一緒にチャレンジできるようになりました。

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だが、しかし、皆様ご存知の通り7月の第1週は線状降水帯による豪雨のため西日本で大きな被害が出ました。雨雲レーダーをずっと見ていたのですが、高知方面も常に真っ赤な表示があり、一部の情報ではこんな感じでした(ツイッターからの拾い画像)。

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さらに高知道に掛かる立川橋が大雨で流出し、一部区間で通行止めになっているようです。

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「これは、さすがにマズイのでは。。。」

高知は大丈夫なのか? いくら2ヵ月前から休みを取っていたとはいえ、もし大きな被害が出ているのであれば、被災しているところに釣りに行くというのは気が引けます。

情報化社会なのでツイッターなどでは、「高知市は元々雨が多くて排水に関しては整備が行き届いているため、少々大丈夫」などとの書き込みがありました。

ただ、ネットの情報なのでアテになるかはどうかは分かりません。そこで高知市の防災政策課に電話を掛け、高知市内の様子を聞くことにしました。

すると、担当の職員いわく、高知市内は冠水はあったものの、けが人はおろか、床上、床下浸水など、特に大きな被害はないとのことで、気を付けてお越しくださいと言ってくれました。

無論、川や海はカフェオレ状態でしょう。持ち前のマイナス思考が働いて、行くかどうか迷いました。でも、はまさんから「ぜひ釣ってほしい。川原さんも同じ気持ちです」という言葉に後押しされ、さらに現地は被害もない模様。トンさんとつなこからのお守りをぎゅっと握りしめて向かうことにしました。

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前日の仕事を早めに終わらせてまず和歌山港から南海フェリー(ボクは痛フェリーと呼んでいる)で徳島まで向かいます。

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こんにちは。お世話になります。南海フェリーのオリジナルキャラクター・高野(たかの)きららさんがお出迎えです。

徳島港までは夜に備えて仮眠。徳島港から高知まで約3時間(途中高速が使えませんでしたので)。合計5時間の小旅行。高速道ばかりより、下道を通るのも楽しいですよね。いろんな名所が見られたり。

ついつい寄り道したくなる衝動を抑えて、アカメの棲む高知県を目指します。

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はまさんは前日から入っていたため、各ポイントを見て回ってくれているようでした。その結果、前夜に自己記録クラスの大物をバラしてしまったという場所を集合場所に指定してくれました。

前日はボラの群れが目前に集まり、アカメのボイル祭だったようです。

しかし、ボクが行った夜は遠くでアカメのボイル音は聞こえるものの、射程圏内にはなかなか入ってこず。色々とはまさんとおしゃべりしてる時に、急激に眠気が襲ってきてその場で小一時間寝てしまいました。

はまさんが言うにはボクがいびきをかいて寝ている間、ワンチャンスあったようです(泣)。起こしてくれたけど起きなかったのだとかw

やっぱり、縁がない魚なのかな、、今回の釣行でも姿を拝めないかもしれない。またまた頭をもたげるマイナス思考。

つなこはLINEで励ましてくれました。

 

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余談ですが、高知県は県のレッドデータブック2018を改定し、アカメを絶滅危惧種から除外しました(リンク先pdf 参照 31㌻に記載があります)。代わりにアカメを注目種に指定しました(県環境共生課のHP)。絶滅の危機には直面していませんが、貴重な魚なのは変わりありません。何せ高知県が誇る自然の象徴であるがゆえ、高知県で狙うのがベストなのですから。 アカメを狙うアングラーであれば、この魚を守らなければなりません。

本当にささやかですが、高知県にお金を落とすため、お弁当も地元のもの、釣具も地元の釣具屋さんに立ち寄って買うようにしています。

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地元の名物弁当と釣具屋さんのコラボステッカーも買いました(笑)。

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さらに余談ですが、今回遠征した夜、2人の地元のアングラーさんにお会いしました。2人ともすごく温かく迎えてくれました。高知でお会いした地元のアングラーさん、これまで全員がフレンドリーで「遠くからお疲れさまです」と言ってくれます。土地柄でしょうか? すごくうれしいことであり、ボクたちも駐車スペースや騒音などに気を遣って、なるべく邪魔をしないよう心掛けています。

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話は戻りますが、肝心な時に寝てしまったボク。はまさんと協議の結果、朝まずめから再び別の場所で釣りを開始することにしました。

百戦錬磨のはまさんですので、満潮時はどこ、干潮時はどこというデータもあるようです。そしてそのデータは川原さんがボクに教えてくれたものと合致していました。

今回の遠征、一日目の夜は、ほぼロッドを振ることもなく終了です。南紀メバルなどで冬の車中泊は慣れたものですが、暑い夏の車中泊は、年齢からして体力的にこたえます。じわりとにじむ汗。南国高知、アカメ修行の試練の一つです。

(続く)