限界

 

日本アンチドーピング機構が全国の高校を巡り、

 

ドーピングの悪影響を教えるキャンペーンが

 

先日の和歌山北高校から始まりました。


ドーピングといえばメジャーリーグで

 

通算553本塁打のヤ軍の主砲、

 

A・ロッドがステロイドの摂取を認め、

 

世間を騒がせたことがまだまだ記憶に新しいです。

 

北高で講師を務めたバルセロナ五輪女子柔道銀メダリストの田辺陽子さんは

 

講演の中で

 

「自分の力に限界があることを知るのも大切」と、

 

生徒に語ったと言います。

 

結果がすべてのアスリートの世界、限界近くを感じたとき、

 

薬物に手を染めるという気持ちも分かりますが、

 

薬の力で出した記録ははたして「自己記録」なのでしょうか。

 

特にスポーツは自己研鑽に加え、相手のあるもの。

 

薬で敗れたライバルのことも考えなければいけないと思います。

 

「自分の力の限界」といえば、

 

先日会ったある大手新聞の女性記者さんが、

 

「深いイイ話」を聞かせてくれました。

 

この記者さんは四国アイランドリーグの取材にかかわったといい、

 

そこではNPB(日本野球機構)のプロ選手を目指して

 

頑張っている選手もたくさんいるといいます。

 

大スターになれるという夢を求めてやってくる人が

 

多いのはもちろんですが、当然、NPBに入れるのはひと握り。

 

では、なぜ多くの人が四国アイランドリーグを目指すのか。

 

女性記者さんは言いました。

 

「あそこは、野球をあきらめる場所なんです」。

 

高校球児で名を馳せ、その後社会に出るも

 

「やっぱり野球でメシを食いたい」という強い思いから

 

アイランドリーグにチャレンジする選手たち。

 

そしてそこでダメだったら野球をあきらめよう。

 

そう覚悟して臨むのだといいます。

 

自分の限界を知る。

 

限界までチャレンジできる何かを持てる人にとって、

 

これはとても素晴らしいことだと思います。

 

それでダメならあきらめればいい。

 

何事にも中途半端で、

 

自分の限界など知るよしもない私にとってはうらやましい限りです。