燃えないゴミの代表格とも言える空き瓶。このご時世でもまだ波止場や浜辺に放置されているのをたまに見かけます。
ルアーソムリエの私としてはそうしたゴミすらルアーに見えてしまうため、ゴミ拾いという美化活動にかこつけて素材集めをしたりしています。
ちなみに漁具やら何やら、海岸沿いにはルアーになりそうな素材がたくさん落ちておりますゆえ、宝探しのような感覚でもあります。
さて、今回も宝探しに出掛けたのですが、すでに割れていたり欠けていたり、いい素材がございませんでした。それらは集めてごみ箱に。
いい汗をかき喉が渇いたので、自分で買って飲んじゃいました。ファイブミニの空き瓶。うまく細工すればクリアボディのポッパーになるのでは・・・。これが今回のお題です。
◇ ◇
まずはアイとなるワイヤーを通す穴を開けなければなりません。
しかし今回の素材はガラス。どうして穴を開けようか。まずはキリでやってみましたが、ビクともしません。
続いて安物のガラス工作用の電動ルーターでチャレンジしましたが、1時間くらいやってちょこっと傷が付く程度。このまま作業を続ければ、おそらく1年ほど掛かり、乾電池何百本も消費するでしょう。
乾電池の浪費はエコではない。でも人力でもどうしようもない。そんな時、名案を思いつきました。
盟友・情けない軍団の青山団長の実家は実はガラス屋さん。頼んでみたら、専用の器具で穴を開けてくれるのでは??
無理を承知で依頼したところ、快くOK! さっそくプロの手で空き瓶に穴を開けてもらいました。
やってきました青山ガラス。
団長のお父さんにあいさつし、事情を説明。
長年体に染みついた技術で、寸分の狂いもなく瓶に穴を開けてくれます。
熱がこもるので潤滑油を継ぎたしながら慎重に慎重に・・・
湯気がでて、瓶もかなり熱くなっているよう。
そしてついに
穴が開きました!
これぞ職人の技!
◇ ◇
ボディができましたが、ここからが問題。どうやってワイヤーを通すのか。
とりあえずプロト版として太めのステンレスワイヤーを通し、飲み口(ルアーとしてはリア側)に丸形オモリのセットします。
これで浮力的には頭を少し出すフローティング仕様になります。
さて、まずはラベルをカッターナイフではがし、無造作にワイヤーをぶち込んで(これでもわりと難しかった)アイの部分からボディ内に水が入らないようにホームセンターで買ったコーキング剤で密封します。
目は、元からある特保のマークでも貼っておきましょうか。
一応、これでプロトタイプⅠ型は完成なのですが、大丈夫でしょうか??
◇ ◇
というのも、作ったのはいいですが、心配事が2つあります。
未熟者ゆえ、ワイヤーの通し方が微妙なこと。
さらにガラスゆえ、強度の問題。
例えば磯や砂利浜で使って、大きな魚をかけたとして、ランディングの際にずり上げたりすると確実に割れます。
陸っぱりは難しそう。
でも、オフショアでも乗合船とかで割ってしまったら船頭さんをはじめ、他の客に迷惑をかけてしまいます。。
誰かのマイボートで実釣させてくれる人はいないものか。。
そんな時、かじやんさんからボートフィッシングのお誘いがありました。
これぞまさに「助け船」。事情を説明し、シイラを狙うことにしました。
◇ ◇
夏の終わり。沖に出てすぐに試投。第一投、
重い! とにかく重い! GTポッパー並みのでかさと重さゆえ、僕のシイラロッドで投げるのも少々辛い。
バランスも悪いので飛距離も出ません。そして着水はまさに
ドッパーン!
という感じ。
しばらくベイトボールを追い掛けてもらい、
大型のシイラがヒットしましたぁ!!
よっしゃぁぁぁぁ!
ってか、なんでこんな時に限って大型なんでしょう。強度的に大丈夫なのか??
ドラグが悲鳴を上げ、次の瞬間、
ドバァッとジャンプした魚体は目測で130cmほどの大物。空中で首を振り、そのままダイブ!
その瞬間にロッドから生命感が消えましたね。
そう。痛恨のバラシ。
ルアーを回収してみると、
破壊されていました。。。
中のワイヤーがたわんで、ベリー側の穴から引き出され、その抵抗で割れたのだと思います。
仮にルアーが破壊されてもワイヤーが貫通しているので魚は捕れるはずでしたが、よく見たらフックも伸びていました。
STX-58の1番でしたが、なすすべなしでしたね。
プロトタイプⅠ型、まったくダメルアーでした。
しかし、これで懲りたわけではありません。
次はワイヤーがたわまないように工夫するのと、
ベリー側のフックがないバージョンを作ります。
to be continued…